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フランチェスコ・アレッツォ
2025-2026年度 国際ロータリー会長
教育を通じた平和
私のRI会長への就任は、突然かつ予期せぬ形で訪れました。この出来事を通じて、世界は一瞬で変わるものだということ、そんな変化の中でも、ロータリーは常によいことをするために安定した力を持っていることを再認識しました。
今月は「基本的教育と識字率向上月間」です。私たちに課せられた使命は明確です。私たちが奉仕する地域で、人類の学びの土台を支えることです。
世界には、文字を読めない人が何百万人もいます。基本的教育を受けられない子どももいます。しかし、私たちはその解決法を知っています。
持続可能で、インクルーシブで、公平な教育です。特に女児と社会から取り残された若者のための教育は重要です。
識字とは、単に読み書きができる能力ではありません。人間の尊厳、経済的な自立、平和への鍵となるものです。本を開くこと、教室を設けること、教師を養成すること、その全てが平和の礎となるのです。
今年のロータリーのメッセージは、「よいことのために手を取りあおう」です。「手を取りあう」とは、私たちが互いの中に見いだす強さを表しています。クラブ同士だけでなく、パートナー、組織、地域社会と手を取りあったとき、私たちは参加者の基盤を拡大することができます。
これらを継続的に行うことで、永続的な変化をもたらすことができます。ロータリーの奉仕は年次目標だけで測ることはできません。教育分野での私たちの活動は、1 年で終わるものではないのです。識字率向上プロジェクトは、根付き、成長し、実りをもたらすには時間がかかります。
今こそ大胆かつクリエーティブに考える時です。新しい形のクラブは、教育者、学生、支援者を巻き込む新たな方法になります。
今月は、教育への情熱を持つ新しい会員を教育を通じた平和迎え入れ、既存会員には地域のニーズを反映した奉仕プロジェクトを実施できるよう支援しましょう。図書館の建設、教科書の配布、学生の指導など、どんな行動でも意味ある一歩です。
教育はまた、平和の構築でもあります。私たちが提供する奨学金、支援する幼児教育プログラム、成人向けの識字教室への資金提供は、平和のための活動です。
ロータリーは 100 年以上にわたり、このような方法で平和を築いてきました。
識字という課題において、単に「教育の機会を提供する」だけでなく、「教育の公平性」を追求する必要があります。
どのような背景にある人でも、学びのチャンスが等しく与えられるべきです。そして、国境、言語、世代を超えて、教育は特権ではなく権利であるということを私たちは一つになって主張することも必要です。
持続的な識字率向上の実現に向けて行動し、よいことのために手を取りあいましょう。
全ての子どもが文字を読むことができる世界を夢見て、私たち世界を変える行動人が、この夢を実現するために協力しましょう。
教育の力を活用して、人々の人生を豊かにすることができるのです。共に、よいことのために手を取りあいましょう。
(RI指定記事 提供 : ロータリーの友 )
2025/09/01
フランチェスコ・アレッツォ
2025-2026年度 国際ロータリー会長
今月、そして毎月
8月は「会員増強・新クラブ結成推進月間」ですが、ロータリーの成長とつながりへの取り組みは、一年を通じて続くものです。
私たちがロータリーの成長に注力することで、奉仕する力、リーダーとしての力、そして持続的な変化をもたらす力が高まります。
会員増強とは、単に会員数を増やすことではありません。新しい扉を開くことです。自分自身の大きな目的のために、
時間や才能、心をささげたいと願う人々を迎え入れることです。新会員は新たな発想やエネルギーをもたらし、
ロータリーの影響力を広げ、クラブを強化し、社会と共に進化させてくれます。
現在、ロータリーでは従来の形にとらわれないクラブ形態を設計することが可能です。
多様なつながり方や奉仕の形を提供する革新的なクラブの成功例を見るたび、私は大きな励ましを受けます。
例えば韓国では、衛星クラブの拡大により、約1,000人の新会員がロータリーに参加する機会を得ました。
ルーマニアではロータリアン、ローターアクター、インターアクターの連携が、次世代のリーダーを育てる土台となっています。
インドでは、専門性の向上や奉仕への情熱といった共通の関心を軸に会員が集まり、ロータリーに参加する喜びと意欲を高めています。
また、東南アジア、アフリカ、ヨーロッパでは、特定の課題に取り組む分野特化型クラブが活躍しています。
共通していえるのは、ロータリークラブが成長しているところでは、会員増強が優先事項とされ、新しい挑戦への意欲があるということです。
ロータリーは一つの構造や伝統に縛られた組織ではありません。私たちは行動する人々の世界的ネットワークです。
つまり多様なクラブ、多様な奉仕、多様な参加の形が認められているということです。
この革新の精神は、ロータリーの新たな地域への拡大にもつながっています。
これまでロータリークラブがなかった地域や、かつて存在していたが消失してしまった地域でも、ロータリアンたちは成長の機会を見いだし、
地域の特性やニーズに合った新たなクラブを築いています。こうした取り組みは、全ての会員が役割を担っています。
友人をクラブに誘ったり、新たな例会形式を支援したり、プログラムの学友と再びつながったり、
自身のロータリー体験を語ることも、組織をより強く、より活気あるものにします。
ロータリークラブに「所有者」はいません。クラブは、次の世代に託す「贈り物」なのです。
この贈り物を育み、他の人を招き入れるとき、ロータリーは「よいこと」をする力として、未来へ続いていけるのです。
8月だけでなく、毎月を「会員増強の月」として意識し続けましょう。
友情と創意工夫、そして共通の目的を通して、ロータリーを共に成長させ、「よいこと」のために団結するのです。
(RI指定記事 提供 : ロータリーの友 )
2025/08/01